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1+1の行方 two fragments

たった ひとつの欠片を探して…

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静かな終焉



もう二度と会うことも話すこともないだろう。


小さな物音すらさせずに


私たちの関係は終わりを迎えた。






街の風景



最近、T と歩いた想い出の風景が


ドラマなどに頻繁に映し出される。


私たちは、あの風景の中に溶け込むことはないけれど、


二人で歩いた時の状況は


今でも鮮明に何もかも想い出せる。


微かなチクチクとした痛みを覚えながら


私は、その街の風景を愛おしいと思う。






考え過ぎ



しばらく何も書けなかったのには、


私なりの事情があったから。


離れていても会えなくても


それでも繋がり続けていると信じていた


T に変化があったことで動揺していたから。


私の性格的にグレーゾーンは存在しない。


なのに、それを知っていて T はグレーゾーンに入っていた。


T も私も持病を持っている。


それも完治することのない病。


T は、その部分で悩んでいたらしい。


私が T を失った時のことを考えて


違和感を感じる距離を取っていたのだ。


そんなの気付いていた。


だから私は思い切り T を責めた。


他に誰かが存在するようになったのなら


私は決して追いかけたりはしない。


電話で話し合った。


結果、T が考え過ぎていたことが分かった。


『雫が僕を失った時の喪失感を考えた』


『だからフェイドアウトしようと思ってた』


そう言われた。


私は激昂し、T を責めた。


だって誰だって明日も生きている保証なんて


何処にも何ひとつない。


だから真剣に相手を想うんだから。


健康な人間だって明日、何が起こるか分からない。


だから今日一日。


大切な人間を大切にする。


それ以外、無力な人間に出来ることなどない。






音信不通



最近、T と音信不通になることが多い。


以前は一日に一度はあったメールも


この頃では全くない日が増えている。


色んなことを考えたり、想像するけれど


思い悩んでも仕方がない。


T には T の生活があるし


それは私も同じことだから。






会話



最後に Tと会ったのは、いつだっけ?


思い出すことも止めようとしている。


お互いの生活があるんだから、


会えない時間が続いても仕方がない。


それでも時間が許してくれる時は


お互いに極力、会話をするようにしている。


他愛のない内容しか話さなくても


それでもいいと思う。


それは、きっと Tも同じだと感じる。






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Author:雫
たった ひとつの
失くした欠片を探して…


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