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1+1の行方 two fragments

たった ひとつの欠片を探して…

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ライブデート 3.

ホテルへ向かう電車の中でも

私の不安定感は残っていて

脳がグラグラ揺れているような

足元が崩れて行くような

イヤな感じが残っていた。

Tも分かっているから静かに

私を庇うようにしながら電車に揺られていた。

私が使っていた頃は急行しかなかった路線。

今では特急になっていて

ホテルまでの時間は早かった。





遅い時間にチェックインを済ませ

私たちは部屋のドアを開けながら

『ただいま』

そう二人同時に言った。

大切な私たちだけの空間。

窓の外には横浜の海と街の夜景が良く見えた。

荷物を片付け、シャワーを浴びて

二人だけで静かに乾杯。

今回のデートの前に おねだりしていた

Tが普段、部屋で着ているTシャツに包まって。

Tにでさえ ゆったりサイズのTシャツは

私が着ると膝まで隠れるくらい。

『まるでアメコミに出て来る女の子だね』

そんな風に笑うT。

ライブの感想とか

やっぱり二人とも人混みは苦手だとか

どうでもいいような話をしながら

夜が更けて行くのも忘れて話し続けた。

心地良い酔いに身を任せて…





『さ、そろそろ休もうね』

Tが私を諭すように言った。

いつもなら駄々をこねて

なかなか休もうとはしない私だけど

さすがに疲れと脳の揺れから

さっさと歯磨きを済ませ

先に横になっていたTの脇へ潜り込んだ。

ツインルームなんだから

別々のベットで休んだ方が楽なのに

私たちは敢えて一つのベットで休む。

そして必ず同じタイミングで途中覚醒をし

薄明かりの中で視線が合うことを

二人ともが同じように楽しむ。

先に寝息を立てたのは、T。

その寝息を耳元で確認すると

私も静かに眠りに就いていた。






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Author:雫
たった ひとつの
失くした欠片を探して…


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