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1+1の行方 two fragments

たった ひとつの欠片を探して…

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'10.6.13(Sun) 2.

チェックインを済ませ、部屋に入る。

目の前には、あの時の海が広がっていた。

キラキラと波間が太陽を反射させ

『おかえり』

そう言ってくれている気がした。

ベルガールの女の子が退出すると

私たちは静かに窓辺に越し掛け

背中をTの胸に預けたまま

しばらくの間、海を眺め続けていた。

静寂を破ったのは、どっちだったんだろう?

気が付くとTと私は口唇を重ね合い、舌を絡め合い

しつこいくらいのキスを何度も何度もした。

涙が出そうなくらい優しいキス。

Tの口唇が離れると私が追う。

私が口唇を放すとTが追い掛ける。

ジャレ合うように私たちは楽しんだ。




一時間程、そんなことを楽しんだ後。

『お天気もいいし、お散歩しよう』

『雫と手を繋いで歩きたい』

Tが言い出した。

続きが欲しい私を知ってるくせに

それでもTは出掛ける準備を始める。

私はTに食べられた(笑)ルージュを引き直す。




外へ出ると、夏のような日差し。

ゆっくりな私の歩幅に合わせて歩く。

海の上を通る遊歩道を目的もなく進んでいく。

日曜日のせいか赤レンガ倉庫では

アフリカン・フェスティバルなるイベントが。

会場内をブラブラ、お散歩。

でも人混みが苦手なTと私。

すぐにGive Up

賑やかな会場を通り抜け、反対側の海添いへ逃げ込む。

海風に吹かれながら手を繋ぎ

ボンヤリと波の動きだけ見詰める。

Tが突然、

『愛してる』

そう囁く。

あんまり真っ直ぐな言葉に照れた私は

急いで立ち上がり、歩き出す。

『何処に行くの?(笑)』

そう言って私の腕を取り

自分の腕に掴まらせるT。

『じゃ、外は暑いし雫の好きなビールでも飲もう』




連れて行ってくれたのは、古くからの洋食屋さん。

Tが、いつも話してくれてた お店。

Tの大好物、ハヤシライスを半分ずつに分け

ビールで乾杯をする。

Tが通い続けている お店のオーナーは

Tが来たことを奥様から聞いたようで

わざわざホールに顔を出して挨拶に来てくれた。

しばらくの間、ビールを飲み

オーナーと話し込む私たち。

他の お客様のオーダーで

オーナーが厨房へ戻ると私たちも店を出た。




ホテルへ戻り、夕食の時間まで

二人とも足を投げ出しベットで抱き合いながら

しばしの休憩を取る。

窓の外は太陽が少しずつ傾き始め

空も海も色を変えて行く。

穏やかに、そして静かに…

幸せな時間。

Tの腕に包まれた私は素直に

『幸せ…』

そう言葉にする。

Tも同じように答えてくれる。

私が求めていたのは

こんな安らかな時間だったんだと

そう心から感じていた。






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雫

Author:雫
たった ひとつの
失くした欠片を探して…


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