1＋1の行方　two fragments

打ち合わせのない日は


ほとんどTと私は毎日のように電話で話す。


今日は外出の予定のない二人。


電話で話しているうちに


Tの声が眠そうになってきた。


『雫の声を聞いてると安心する』


ムニュムニュと呟くように言う。


Tも私も不眠症だから


眠気が来た時には休ませてあげたい。


『ちゃんと風邪をひかないように、お昼寝して』


そう言ってる間にTは寝息を立て始めてしまった。


電話を切るにも切れない感じ。


仕方がなく繋がったままにしていた。


Tの気持ちよさそうな寝息を聞いているうちに


今度は私が眠気に襲われてきた。


どうしよう…


しばらく考えられていた筈なのに


結局、私も そのまま居眠り。


大した時間ではなかったけど


私の目が醒めるとTの声がした。


『雫も眠ってた』


嬉しそうに言うから


『起こしてくれて良かったのに』


そう言うと


『だって僕も今、目が醒めたんだもの』


ほんの２０分くらいの うたた寝。


でも一緒に お昼寝が出来て大満足そうなT。


たまには、こんな時間もいいのかもしれない。