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1+1の行方 two fragments

たった ひとつの欠片を探して…

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叱るということ

梅雨の晴れ間の穏やかな夕方、携帯が鳴る。


『もしもし』


そう言い終わらないうちに


『すぐに来て!』


ヒステリックな声が耳を突き刺した。


昔からの友人からだった。


何事かと訊くと子供のことだった。


中学生の長男が友人と煙草を吸ってたと言う。


彼女は数年前に離婚して


女手ひとつで二人の子供を育てている。


子供たちは二人とも生まれた時から


何かと言うと私に預けられたりしていた。


だから離婚後は言わば私は父親代わり。


仕方なく友人宅へ出向く。


長男と彼女と両方から話を聞く。


一向に反省の姿勢を見せない長男。


ヒステリックに怒鳴る彼女。


まったく埒が明かない状態だ。


『なんで煙草なんか吸った?』


私は静かな口調で尋ねた。


すると長男はスネた口調で答えた。


『だって○○が吸おうって言ったからさ』


カチッと私の怒りのスイッチが入ってしまった。


もう一度、同じ質問をした。


そして、もう一度 同じ答えが返ってきた。


私は母親の目の前で長男の横面を平手で叩いた。


『人のせいにするな!』


『煙草を吸ったことはいけないかもしれない』


『だけど興味を持って吸ってしまっても仕方がない』


『なんで叩かれたか、分かるか?』


『お前が自分の間違いを友達のせいにしたからだ』


『そういうことが卑怯だってことだ』


『男なら卑怯な真似するな』


『正々堂々と胸を張って、自分がやったって言え』


私は長男に言った。


年頃だから、ある程度の悪さは仕方がない。


だけど自分の過ちを責任転化だけはさせたくなかった。


長男は叩かれたことが悔しかったんだろう。


そりゃ、そうだ。


私は長男も弟も可愛がっていたんだから。


その私に叱られることはあっても


叩かれるなんて思ってもいなかったんだろう。


ポロポロと涙を流した。


母親も泣いていた。


しばらくすると長男は


『ごめんなさい』


ちゃんと謝れた。


『ごめんな、叩いたりして』


『だけど叱られなくなったら、人間は終わりなんだよ』


『失敗はしてもいいんだよ』


『でも自分の失敗は人のせいにするんじゃないよ』


それ以上、私も何も言わなかった。






怒ることと叱ることは別物だ。


叱ると言うことは難しい。


愛情がなければ叱ることは出来ないから…


これから何度、彼らの失敗を見ることになるんだろう(苦笑)


まぁ、いいさ。


たくさん失敗をして覚えて行ってくれれば。






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Author:雫
たった ひとつの
失くした欠片を探して…


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